Music and Thought

Live記録がメインです。たまに長文になりそうな思考結果はこちらに。

Young & Dangerous / The Struts

2018/10/26リリース。

昨今、こういう泥臭い感じだけどポップでキャッチーなロックチューンやるロックバンド多くないんだよな。単細胞ぽくて頭悪い感じも嫌いじゃない。いや、彼らが頭が悪いと言っているわけではないのだが。もう2000年代に入ってからロックはどちらかというとAlternative的なやつが主流で、特にメロディラインが簡潔なのが好きな私にとっては「うーん、悪くはないんだけど、キャッチーじゃなくて踊りにくいな」というロックバンドがとても多くて、実はちょっと物足りなさも感じていたところ。

彼らはSummersonicで初めてみたのだが、ボーカルが完全にQueenのFreddieの顔にそっくりすぎて、そこから注目しただけだった。歌い方やステージアクトも完全に意識しているだろうと思われる感じ。

ボーカルのLuke Spillerはパフォーマンスも突出してよく、今回のFoo Fightersアメリカツアーの前座を勤めているが、Foo Fightersのドラマーが歌うUnder Pressureを一緒に二人で歌っているところをみていても、Freddieにそっくり。ただ、真似をしている感じではなくちゃんと自分の声で歌い方はコントロールできているのが好印象。ただ、歌い方が結構気合いでいってる感じなので、今後喉とか潰さないようにしてほしいなぁ、と思う。

 2枚目となる今作はイギリス出身のバンドにしてはアメリカ寄りのサウンドのアルバムを出してきたなぁという印象。アメリカツアーをかなり回った影響なのかもしれないな。3曲目In Love with a Cameraなんかはアメリカのパーティーロックぽくてずっと飛んでられそうな感じ。7曲目のFireあたりもライブ映えしそう。実際、確か前回の来日の時にFireあたりはやってたはず。9曲目のTatler Magazineなんかはすこしミュージカルチックな曲の作りをしており、QueenやSparksを確実に意識しているのではないかと。まだ荒削りで音を練りきれていない感じはするが、こういう曲がうまく作れるようになってくると今後Rock Anthemになるような楽曲もバンド内で生まれてくるのでは、と思う。

世の中が複雑化して、実は音楽も複雑化している気がする。どうにか新しいものを音楽の中にも見出さなければいけないというミュージシャンたちのプレッシャーなのか。おかげさまでAlternativeというジャンルが発展したのは紛れも無い事実なのだが、ただ何も考えずに旋律の美しさや激しさに身を任せたいというときもあるんだよな。そういう時にはうってつけのバンドだと思う。来年のSummersonicもしくはフジロックにもぜひきていただきたいバンドだな。

 

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