Music and Thought

Live記録がメインです。たまに長文になりそうな思考結果はこちらに。

新三国志関羽編@歌舞伎座

今日は久々のエントリー。歌舞伎はコロナ禍になってもちょいちょい見にきていたのだけど、今回は特別に私が歌舞伎にハマるきっかけになった、スーパー歌舞伎「新三国志」のリメイク版を見てきたので、感想を書いておこうと思う。

 

三国志の初演は1999年。母親と初めて歌舞伎を見に行ったのが発端。でも、普通の歌舞伎だと多分意味がわからないんだろうというのと、スーパー歌舞伎ってなんだろう?って話をしていたので、見に行ってみたらすごかった。現代語だからセリフがわかるし、宙乗りはあるし、立ち回りもすごいし、大迫力。そして、ストーリーもすごくよくて、各シーンの造形美も素晴らしい。三代目猿之助ってすごい人だなーと思って、その後から澤瀉屋の舞台を年間で50回以上見てたっけ。

 

そんな私も社会人になって一歌舞伎ファンとして1年に2-3回歌舞伎を見る程度となったわけだが、そのきっかけを作ってくれたのはこの新三国志だったわけだ。三代目猿之助さんのあの包容力と度量のある台詞回し、笑也さん・笑三郎さん・春猿さんの美しさ、市川右近さんのパリッとした孔明。何を取っても完璧だったと思う。

 

さて、今回は以下のように配役が変わっている。※の部分は今回から追加になった役。

関羽:三代目猿之助→四代目猿之助

劉備(玉蘭):市川笑也

張飛市川猿弥市川中車

諸葛孔明市川右近(現:市川右團次)→市川青虎(弘太郎改め)

曹操市川段四郎浅野和之

孫権中村歌六中村福之助

香渓:市川笑三郎尾上右近

司馬懿(※):市川笑三郎

彩霞:市川春猿→市川笑野

関平市川亀治郎市川團子

陸遜市川門之助市川猿弥

呉国太(※):市川門之助

華佗市川寿猿

前から変わっていないのは劉備と寿猿さんの華佗だけなのねw。

 

まず、演目が始まって驚いたことが2つ。猿之助さんの声色が三代目とほぼ一緒なこと。遺伝って恐ろしいわーw。さすがに、抑揚はもう少し三代目の方が強いんだけど、声色が全く一緒。目を瞑ってたらわからん。もう1つは笑也さんの変わらなさ具合。22年前とほぼ一緒の格好しているんだけど、体格も一緒だし、シワもそんなに増えてないように見えるので、全然違和感がない!

 

ニューキャストに関しては、まずは孔明。弘太郎くんが青虎襲名して、師匠だった市川右團次さんの役をやっている。すごい、あの時はまだまだ若者だったのに!こんな大事な役を果たせるまでになったかぁともうお母さんの気分で見守っていたw。あと、笑三郎さんがやっていた香渓もすごく綺麗だったけど、尾上右近の香渓もすごく綺麗だった。一方の笑三郎さんは悪役の立役でやっぱりデカかったw。また、関平は今の猿之助さんが亀治郎だった時に派手に水の立ち回りをやった役。今回は流石に歌舞伎座だったので、水の立ち回りはなかったけど、團子ちゃん頑張ってたわー。

 

ストーリーとしては4時間あるスーパー歌舞伎を2時間弱に詰め込んでいるので、余韻を楽しむということはできなかったけれども、キーになる場面はちゃんと残していて、桃園の近い、梅の木の下で関羽と玉蘭が手を繋いで2人で座っているところ、関羽が敵地に向かう前の仲間との語らいの場はちゃんと再現していた。もう、梅の木の下で2人が手を繋いでいるところで号泣。そして、もちろん関羽が敵地に向かう前の語らいの場でも号泣。後半ほぼ泣いてたなーw。

 

不思議だなと思ったのが、昔自分が感銘を受けた作品を見聞きするとそれだけでその当時の感動が蘇ってきて同じ感動がフラッシュバックするというところ。これ、なんか名前つけられませんかね?w

 

三国志、またスーパー歌舞伎Versionで見たいなー。4時間でもいいから見たいなー。どうか松竹さん、ご検討お願いします!